スポーツドリンクの飲み方について

運動時や熱中症対策として人気のあるスポーツドリンクですが、飲み方によって虫歯のリスクが大幅に左右されることをご存じですか?
特に乳歯の場合は虫歯の発生・進行のリスクが永久歯よりも高いため、注意しなくてはいけません。今回は、スポーツドリンクが歯にもたらす影響や、飲むときに注意すべきポイントをお話ししていきます。


スポーツドリンクに注意する理由

スポーツドリンクは、身体に良さそうなイメージがありますが、糖分が多く含まれているため、お口の健康にはあまり良くありません。糖分は小腸でミネラルと水分の吸収を促進する働きがあり、汗をたくさんかくときの飲み物としてスポーツドリンクは最適です。しかし、虫歯菌のエサにもなるため、スポーツドリンクを頻繁に飲むと虫歯のリスクが高まります。身体の健康とお口の健康の両方を守るためには、スポーツドリンクの摂取方法に注意することが重要です。


「糖質ゼロ」について

「とにかく痛みを止めたい」と思うのは、強い痛みがある場合には仕方のないことです。しかし、神経を取ることによるリスクを知らずに行うと、後悔する可能性があります。また、糖質ゼロの飲み物は虫歯にならないと信じている方も多いと思いますが、実際には糖類が0.5g未満であれば「糖質ゼロ」「ノンシュガー」と表記できるため、ゼロではない可能性が高いです。スポーツドリンクだけでなく、他の飲み物や食べ物にも注意しましょう。


スポーツドリンクを飲む際に注意すべきポイント

虫歯を予防するためには、飲み物の摂取方法に注意する必要があります。以下のポイントに気をつけることで、虫歯のリスクを軽減することができます。


1.すぐに飲み切る

砂糖を摂取すると、口の中は中性から酸性に変わります。酸性状態は虫歯菌の活性化を促し、虫歯のリスクが高まります。酸性になった後は唾液の働きでゆっくりと中性に戻りますが、スポーツドリンクを飲むと唾液の効果が追いつかず、リスクが高まるため、早めに飲み切るようにしましょう。


2.飲んだら口をゆすぐ

スポーツドリンクを摂取した後、口をゆすぐことによって、残存する糖分の量が減り、虫歯のリスクが低下することができます。屋外ではすぐに口をゆすぐことができない場合もあるため、できるだけ室内で飲むようにしましょう。また、歯磨きをすることでさらに虫歯のリスクを下げることができます。


水分補給は「水」がおすすめ

大量の汗をかく必要がない場合は、余分な成分が含まれていない水を飲むことをお勧めします。スポーツドリンクには糖分だけでなく塩分も含まれているため、汗をかかない場合は「成分の摂りすぎ」につながる可能性があります。状況や目的に合った飲み物を選んで、トラブルを予防しましょう。


まとめ

スポーツドリンクは、スポーツ時や熱中症対策に役立つ飲み物ですが、だらだら時間をかけて飲んでいると虫歯のリスクが上がるため注意が必要です。できるだけ早く飲み切って、うがいを忘れずに行いましょう。汗をあまりかかない状況で水分補給をするときは、糖分が含まれない「水」がおすすめです。トラブルを最小限に抑えるために、定期検診もぜひお受けください。