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妊娠中に注意するべきお口のトラブル

妊娠中に歯が痛んだり、歯茎が腫れたり、歯茎からの出血が気になる場合、これらを放置しても大丈夫なのでしょうか?また、妊娠中に歯科治療は普通に受けられるのでしょうか?

これらの妊娠中にお口の中に注意を払うべきポイントについてお話しします。

妊娠中に起こりやすいお口のトラブル

妊娠するとホルモンバランスの変化やつわりにより、口内の環境が変わり、不良になることがあります。これが原因で虫歯や歯周病になりやすくなると言われています。また、早産や低体重児出産といった妊娠時のトラブルも、歯周病と関連しているとされています。

 妊娠中の歯科治療について

歯周病と早産・低体重児出産の関連性は、1996年に米国の研究者によって初めて報告され、それ以来多くの研究が行われています。現在では、歯周病が早産・低体重児出産に対する危険性を2.83倍、早産に対する危険率を2.27倍、低体重児出産に対する危険率を4.03倍引き上げる可能性があるとされています。歯周病は早産・低体重児出産のリスク因子となる可能性が高いと考えられています。

 薬剤の影響について

基本的に、不必要な薬剤の内服は避けるべきです。緊急の場合でも、最小限の量にとどめ、可能であれば影響が少ない薬を選びましょう。特に妊娠初期は薬剤の使用による催奇形性のリスクが高まるため、慎重に選択する必要があります。

歯科治療で一般的な薬剤は、痛み止めや抗生物質です。痛み止めにはアセトアミノフェンを、抗生物質にはセフェム系の薬剤を使用すると、妊娠中の影響が比較的少ないと考えられています。

歯科治療で使われる局所麻酔薬については、妊娠初期でも胎児への悪影響が少ないとされています。通常の使用量では胎児に影響を与える濃度には達しないとされていますが、できるだけ最小限に留めるよう心掛けましょう。

 妊娠中の歯周病治療

歯周病治療には、歯周基本治療と歯周外科治療の2つがあります。歯周基本治療は、歯石に潜む歯周病原因の細菌を取り除くことを目的とし、歯周外科治療はお口の中を歯周病になりにくい環境に整えることを目的としています。

妊娠期間中は、歯周病原因の細菌を取り除く基本治療を行うことで、胎児への影響を軽減できます。したがって、通常は歯周外科治療まで行う必要はありません。歯周基本治療には、ブラッシング指導や歯石の除去、虫歯治療などが含まれています。ただし、妊娠中にどこまで治療を進めるかは、担当の歯科医とよく相談し、決めていくべきです。